ダークウェブとは?仮想通貨市場の拡大と闇サイトの深い関係

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最近よく聞くダークウェブ

仮想通貨市場が拡大し、仮想通貨取引をするユーザーが増えるに従って、「ダークウェブ」という言葉を見聞きすることが増えました。

ダークウェブとはいわゆる闇サイトやアングラサイトと呼ばれるサイトの総称ですが、たとえば日本では2007年に闇サイトで知り合った3人が共謀し、強盗殺人を行ったという痛ましい事件を覚えている人もいるでしょう。

もちろん、ダークウェブは世界各国にあり(というよりも国境を越えて存在し)、世界のダークウェブでは日本語で閲覧できるディープなサイトよりも遥かにドス黒い違法行為が横行しています。

では、なぜ仮想通貨市場が拡大することでダークウェブという言葉を見聞きする機会が増えたのでしょうか。また、仮想通貨市場とダークウェブは今後どのように関係性を持っていくものなのでしょうか。

今回は、仮想通貨の拡大とダークウェブの関係についてお話します。

ダークウェブ(闇サイト)とは

よく、インターネットは「サーフィスウェブ」「ディープウェブ」「ダークウェブ」の3階層に別れていると言います。

ダークウェブとは、前述した通り違法行為や違法取引が行われている闇サイトのことで、通常の検索行為では絶対に見つけることはできません。

出典|知っておくべき”ディープWeb”の存在 – インターネットに広がる巨大な深層 | マイナビニュース

サーフィスウェブとは

わたしたちがGoogleなどの検索エンジンで検索できる膨大なサイトは、すべてサーフィスウェブに含まれます。たとえ検索結果の該当ページが1000万件あったとしても、それらはすべて検索エンジンが認識して表示しているためサーフィスウェブです。

実は、インターネットの全貌は明らかではなく、サーフィスウェブは全体の1%未満しかないとも言われています。

ディープウェブとは

それに対して、通常の検索では引っかからないサイト(ロボットが情報を集めないサイト)がディープウェブです。ディープウェブは、検索エンジン側は何かがあると存在を理解していながら、中身がわからないため検索結果には表示されません。

たとえばログインが必要なサイト、ネットバンクの口座、イントラネット、学術論文、政府のデータベースやニュースなどのアーカイブページは、ロボットが情報を集められないようになっています。

ダークウェブとは

ダークウェブとは、ディープウェブの一部において違法行為を行っているサイトの総称で、人知れず以下の違法な内容が公開運営されているものです。

殺人依頼など、違法行為の依頼や仲間を募集をするもの
集団自殺志願者を募るもの(→自殺系サイト)
拳銃、違法薬物を売買するもの
銀行口座の売買
携帯電話の名義貸し
児童との淫行(売春)を助長するもの
わいせつ画像を公開するもの
児童ポルノに該当する媒体を扱うもの
個人情報を売買するもの
特定の個人への誹謗・中傷などを書き込むもの
違法行為を奨励するもの

引用|闇サイト – Wikipedia

殺人依頼や個人情報売買、銃器売買など、普段普通に生活しているわたしたちには信じられない内容ばかりです。そのため、ダークウェブにアクセスする人は、匿名化ソフトの「Tor(トーア)」などを使って、複数の外国のサーバーを経由して発信元、IPアドレスの特定を極力防いでいます。

ダークウェブと仮想通貨の関係

では、このように危険な香りがするダークウェブは、仮想通貨の拡大とどのような関わりがあるのでしょうか。

仮に匿名化ソフトなどを使っても、海外プロクシ経由でアクセスをしても、ダークウェブ内の闇サイトで違法薬物や銃器、個人情報などを実際に売買すると両者間にお金のやり取りが発生します。

比較的銀行口座を持ちやすい日本でも暴力団など反社会的勢力は口座が持てませんし、何よりも違法取引を行ってお金が動けば足がついてしまうため、警察の取り調べを逃れることはできません。

さらに、近年はスイス銀行などのセキュリティが高いプライベートバンクも、テロ対策などのためスイス政府が守秘義務条項を緩和し、捜査機関の口座照会に応じるようになったため、金融迂回地として犯罪に活用されてきた流れがなくなりました。

そこで違法取り引きには国が発行した通貨を使わずに、匿名性が高く取引実態がわからない仮想通貨が使われるようになりました。このような仮想通貨を使った違法取引は、仮想通貨の発展を妨げる大きなデメリットの1つです。

参考|今からビットコイン投資で儲かる?仮想通貨のメリット・デメリット | FIN-ROUND

もっとも有名なダークウェブ「シルクロード」

かつて、仮想通貨とダークウェブの関係を語るうえで外せない「シルクロード」という闇サイトが存在しました。シルクロードでは主に違法ドラッグ取引が行われており、運営者(ロス・ウルブリヒト)は2013年10月FBIによって逮捕されています。

いくらこの世の中から犯罪がなくならないと言っても、ごく一部の犯罪者しかアクセスができない闇サイトが仮想通貨市場に与える影響なんて少ないはず……と普通は考えます。

ところが、調査によってシルクロードは単なる闇サイトではなく、ビットコインの市場価格と連動しており、ビットコインがダークウェブとの関係が深いことがわかりました。

たとえば、2011年1月末からビットコインの市場価格が2倍以上に高騰した時期とロス・ウルブリヒトがシルクロードのフォーラムやサイトに投稿を始めた時期(2011年1月27日)が重なっています。

出典|違法薬物サイト「Silk Road」が仮想通貨「Bitcoin」に与えた影響とは? – GIGAZINE

その後、ゴーカー・メディアがシルクロードを取り上げたことでビットコインの価格は年初来100倍の「1BTC=30ドル」にまで急騰しています。

ゴーカー・メディアは米ニューヨーク市にあるオンラインメディアの最大手企業で、ゴシップを紹介するGawker.com、仕事術を紹介するLifehacker、ガジェットを紹介するギズモードなどのメディアネットワークを形成している。

2011年6月8日、米上院議員が麻薬購入に関連するビットコインの調査するよう要望を出すと、ビットコインの価格は3日で66%も下がり、2011年11月には2ドルにまで暴落しています。

出典|違法薬物サイト「Silk Road」が仮想通貨「Bitcoin」に与えた影響とは? – GIGAZINE

その後、ロス・ウルブリヒトはFBIに逮捕され、2013年10月2日にシルクロードは閉鎖されましたが、1か月後には新たなシルクロード(シルクロード2.0)が作られ、270万ドルのハッキング事件につながっています。

参考|ビットコインなど24の仮想通貨ハッキング・流出事件と被害額まとめ | FIN-ROUND

シルクロードは闇サイトの1つでしかない

さて、シルクロードがなくなったことで、仮想通貨とダークウェブのつながりはなくなったのでしょうか。

シルクロードはダークウェブの中の1つに過ぎません。シルクロード以降も利用者数40万人以上いたと言われる「AlphaBay」で380万ドル以上の取引が行われたり、「Evolution Market」では1200万ドル以上のビットコインでの違法取引が行われていたなどの報道がありました。

参考|最大のダークウェブ闇市場「Alphabay」運営者がタイで逮捕され自殺 – THE ZERO/ONE

表には出て来なくてもシルクロードに代わる闇サイトは山のようにあり、そこでは日々仮想通貨での違法取引が行われているのでしょう。

各国政府や中央銀行が、今後の仮想通貨拡大を懸念する要素の1つは間違いなくダークウェブの存在であり、仮想通貨とダークウェブのつながりを規制できなければ、仮想通貨自体を排除することもやむなしと考えてもおかしくありません。

そのため、仮想通貨の未来を信じる人は、仮想通貨とダークウェブの関係性を追っていく必要があります。

なお、ダークウェブにはさまざまなマルウェアトラップなどが仕掛けられており、素人が安易に足を踏み込むのは危険すぎます。

また、わたしたちが匿名化ソフトを使っても、各国の捜査機関はアクセスの痕跡からある程度のユーザーを特定できるうえ、IPアドレスの漏洩によってクラッカーから攻撃される可能性もあります。

くれぐれも興味本位でインターネットの深い闇を覗かないよう。

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