パブリック・プライベート・コンソーシアムチェーンのメリット・デメリット

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ブロックチェーンは進化している

仮想通貨を支える仕組みとして開発された初期のブロックチェーン技術は特定の管理者を持たず、不特定多数の参加者によって記録や承認を行う次世代の台帳技術(分散型台帳/分散型ネットワーク技術)として様々な分野への応用が期待されていました。

ブロックチェーン技術の仕組みなどは以下を参考にしてください。

参考|仮想通貨に使われるブロックチェーンの仕組みとメリット・デメリット | FIN-ROUND
参考|ブロックチェーン2.0|ビットコイン2.0を理解する7つのキーワード | FIN-ROUND
参考|初心者も簡単にわかるブロックチェーンの解説とP2Pの仕組み | FIN-ROUND

最近ではブロックチェーン技術も進化して、従来のブロックチェーンから種類や仕組みが増えています。この進化はブロックチェーン2.0、ビットコイン2.0、暗号通貨2.0などと言われています。

今回は、従来のブロックチェーンと新しいブロックチェーンの仕組みや違い、それぞれのメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

ブロックチェーンの簡単なおさらい

詳しくは前述のリンク先を見てもらうとして、簡単にブロックチェーンのおさらいをしておきます。ブロックチェーンと呼ばれる分散型台帳では、大きく以下の作業を行います。

  • 取引の承認
  • 取引の記録
  • ブロックの生成

一般的なブロックチェーン(たとえばビットコインで使われているものなど)は、上記の作業を特定の誰かが行うわけではなく、マイナー(ノード)と言われる有志の参加者が行います。

一定間隔おきに新しいブロックを生成し、これまでのブロックに数珠状に繋げて行きます。

そのため、ブロックチェーンに記録されている取引データは、最初に行われたものから最新のものまで誰でも参照することが可能なため、とても透明性が高いとされています。

例えば、悪意あるマイナーがチェーンの内容を改ざんしようとした場合、全てのブロックを書きえなければならず、膨大な改ざん処理を行っている間に次のブロックが生成されるため、実質的には改ざん不可能と言われています。

特定の管理者がおらず、自律的に稼働し、なおかつデータが分散保存されているため、サーバーダウンやサイバー攻撃からも強いこのブロックチェーン技術は、インターネットに次ぐ大発明とまで言われ注目を集めています。

ブロックチェーンの進化

ブロックチェーンは、オープンソースのプロジェクトであるため世界中で独自の進化を続けています。ただしブロックチェーンの基本概念は踏襲されていて、大きく分類すると以下の3つに分けられます。

  1. パブリックチェーン
  2. プライベートチェーン
  3. コンソーシアムチェーン

ブロックチェーンの種類

引用|金融ソリューション ~ブロックチェーン技術への取り組み~ – Fujitsu Japan

1.パブリックチェーンとは

パブリックチェーンとは、管理者が存在しない非中央集権化の構造を形成しているブロックチェーンの形態です。ビットコインで開発されたオリジナルのブロックチェーンはパブリックチェーンに属します。

パブリックチェーンの構築には非中央集権化を実現するためにマイナーへの報酬(インセンティブ)が必要なため、各取引ごとにマイナーに対する手数料が発生する特徴があります。マイナーとしての参加制限はありません。

また、取引記録が全て誰でも参照できるため、非常に透明性が高い形態でもあります。

2.プライベートチェーンとは

プライベートチェーンとは、管理主体が存在する中央集権化の構造を形成しているブロックチェーンの形態です。

最初に誕生したブロックチェーンの思想は非中央集権化が重要なファクターでしたが、小規模運用や企業・組織がビジネスで利用する場合など、パブリックチェーンでは開示情報が制限できなかったり、不特定多数の第三者が参加することが弊害になる場合があります。

そういった個々のプロジェクトに対応できる柔軟性を持たせるために生まれたのがプライベートチェーンという方法です。

プライベートチェーンは第三者のノード参加は制限され、組織内のノードが承認やブロック生成を行うため、各ノードへの報酬は必要ありません。そうすることで、「迅速な取引承認」や「プライバシー保護(取引情報の第三者閲覧不可)」を実現しています。

ただし、「取引情報の正確性・正当性」「組織の信頼性」「悪意のあるノードの排除」など安全性や可用性は全て管理主体次第であり、パブリックチェーンとは別のリスクが存在します。

3.コンソーシアムチェーンとは

コンソーシアムとは組合という意味で、いくつかの団体や組織によって管理されるブロックチェーンの形態です。

プライベートチェーンは完全な中央集権であり、その管理者(組織)にすべての権限が与えられていることがメリットであり、デメリットでもあります。

コンソーシアムチェーンでは、プライベートチェーンに非中央集権の要素を取り入れた管理体制を持つことが特徴になります。つまり、プライベートチェーンの持つ柔軟性と秘匿性、パブリックチェーンの持つ非中央集権化の良いところを共存しています。

プライベートチェーン・コンソーシアムチェーンの活用方法

プライベートチェーンやコンソーシアムチェーンはどういった活用方法があるのでしょうか。

たとえば銀行や証券会社などの金融機関では、各顧客の取引情報(=プライバシー情報)は守られるべきものです。また、取引承認にかかる時間とコストも、金融機関・顧客どちらの視点で考えても速くて安いほうが良いでしょう。

金融機関でブロックチェーンを用いる場合、パブリックチェーンでは上記が実現できないため、プライベートチェーンやコンソーシアムチェーンなどが必要になります。

まだ実用化には至っていませんが、各国の様々な企業がプライベートチェーンやコンソーシアムチェーンを使ったサービス利用を試行錯誤しています。

参考|ジャパンネット銀行様、契約書の承認フローをブロックチェーンで行う実証実験を開始 : 富士通
参考|ジャパンネット銀行が2種ブロックチェーンの連携に挑戦、mijinとHyperledger Fabricで実証実験 | TechCrunch Japan
参考|NTTデータと三菱東京UFJ銀行、ブロックチェーン技術を活用した実証実験 – ZDNet Japan

このような状況からブロックチェーン技術はあらゆる業種での活用が模索されていますが、特に金融業界に革命を起こす次世代のシステムとして大きな注目を集めています。

各ブロックチェーンの特徴比較

もう一度ブロックチェーン各種の特徴をまとめておきましょう。

パブリック コンソーシアム プライベート
管理者 なし 複数企業 単独
参加者 不特定多数 特定複数 組織内
合意形成 PoW/PoSなど 特定者間の合意 組織内承認
秘匿性 完全開示 秘匿可 秘匿可
ノード報酬 必要 管理者次第 管理者次第
メリット
  • 自立分散的
  • 記録の透明性
  • 高い改ざん耐性
  • 迅速な取引承認
  • 非中央集権的運用が可
  • プライバシー保護
  • 迅速な取引承認
  • 意思決定の一元化
  • プライバシー保護
デメリット
  • 分裂の可能性
  • 不特定多数の一般参加
  • 処理プロセスの遅さ
  • 企業間の調整
  • 承認の不透明性
  • 開始コスト
  • 承認の不透明性
  • 永続性の不安
代表されるコイン等 ビットコインなど リップルなど 金融機関利用など

代表的なブロックチェーンプロジェクト

最後に、代表的なブロックチェーンプロジェクトを挙げておきます。

ビットコイン

https://bitcoin.org/ja/
パブリックチェーンの代表格。
オープンソース。

イーサリアム

https://www.ethereum.org/
パブリック、プライベート両対応のプロジェクト。
オープンソース。

Hyperledger fabric

https://www.hyperledger.org/
プライベート、コンソーシアム両対応のプロジェクト。
オープンソース。

Hydrachain

https://github.com/HydraChain/hydrachain
プライベート、コンソーシアム両対応のプロジェクト。
オープンソース。

BigchainDB

https://www.bigchaindb.com/features/
パブリック、プライベート両対応のプロジェクト。
オープンソース。

mijin

http://mijin.io/ja/
Zaif(テックビューロ)が運用するプライベートチェーンプロジェクト。
クローズドソース。

miyabi

https://bitflyer.jp/ja/miyabi
bitFlyerが運用するプライベートチェーンプロジェクト。
クローズドソース。

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