仮想通貨取引に必須!ホットウォレットとコールドウォレットの違い

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仮想通貨流出の対策は

コインチェックのNEM流出事件580億円……ビットグレイルのNano流出事件180億円……と2018年に入ってから仮想通貨の流出事件が立て続けに起こっています。

仮想通貨の過去を振り返ってみると、マウントゴックスのビットコイン流出事件480億円(被害額140億円)、THE DAOのイーサリアム流出事件65億円、ビットフィネックスのビットコイン流出事件66億円……など仮想通貨の流出事件は何度も繰り返されています。

参考|ビットコインなど24の仮想通貨ハッキング・流出事件と被害額一覧

さて、これらの事件を知ってなお「ビットコインは持ってるけど、自分には関係ない。」と言い切れる人はいるでしょうか。

コインチェック事件後はとくに「ホットウォレット」「コールドウォレット」という言葉を聞くことが増えましたが、今から仮想通貨取引を始めたいと考えている人は、まず最初にこの「ウォレット」の存在を知ってください。仮想通貨取引とウォレットはセットです。

では、ウォレットとは一体何なのでしょう。また、ホットウォレット、コールドウォレットなどウォレットにはどのような種類があるのでしょう。

今回は、ビットコイン取引に必要不可欠なウォレットの意味とホットウォレット、コールドウォレットの違いについてお話します。

ウォレットとは

仮想通貨取引に必要な「ウォレット」とは、ビットコインなどの仮想通貨を保管するための財布や金庫のようなものです。

通常、仮想通貨取引所に口座を開設したら、銀行を通して「円」を入金し、その「円」と仮想通貨を交換します。そして多くの人は、自分が所有した仮想通貨を取引所に預けたままにするでしょう。

ただしこのままでは、取引所(内のウォレット)に自分の仮想通貨を置きっぱなしの状態であり、十分なセキュリティ環境下にあるとは言えません(ブロックチェーン上仮想通貨の所有者は取引所という見え方になる)。

そもそも前述した通り、世界の取引所のセキュリティが万全であれば、たった10年の間に数十回、数千億円規模の仮想通貨流出は起こりません。そのため、「取引所に仮想通貨や円を預けておけば安心!」ではありません。日本人が銀行にお金を預ける感覚で、取引所に預けた仮想通貨や円を放置してはいけないんです。

取引所で仮想通貨を交換したら、保有している仮想通貨は自分が管理する各種ウォレットに移動し、「円」も取引所に置かないことが自分の資産を守る健全な方法です。ただし、ウォレットであれば何でも良いわけではありません。

コインチェックで流出した580億円相当のNEMはコインチェック自身が「ホットウォレット」で保管していたものがハッキングによって盗まれました。これが「コールドウォレット」で保管していれば流出被害は起きなかったかもしれません(シングルシグだったことも問題でしたが)。

参考|仮想通貨セキュリティに大切なシングルシグとマルチシグの違い

ホットウォレットとコールドウォレットの違い

仮想通貨を保管するウォレットは、「ホットウォレット」と「コールドウォレット」の2つに分かれ、それぞれいくつか種類があります。

ホットウォレットとは

ホットウォレットとは、インターネット上に作成された仮想通貨の保管場所を言います。

ホットウォレットは決済や送金などをリアルタイムで行えるため仮想通貨の利用(トランザクション)が多ければ便利な保管場所ですが、インターネットに接続されているためハッキングや不正アプリなどの標的になることもあり、セキュリティレベルが十分に高いとは言えません。

コールドウォレットとは

コールドウォレットとは、インターネットに接続されていないオフライン環境に作成された仮想通貨の保管場所を言います。ただし、オフラインと言ってもインターネットと接続する可能性があるパソコンやスマホ上のウォレットはホットウォレット扱いになります。

コールドウォレットは物理的にインターネット環境から隔離して仮想通貨を保管するため、決済や送金などを簡単に行うことはできません。また、ハッキングや不正アプリなどのリスクはありませんが、専用デバイスや紙で保管するため紛失や盗難の可能性があります。

ウォレットの種類

ウォレットは複数の種類があり、普段使いに便利なものや保管に適しているものなどそれぞれ特徴があります。

種類1.ウェブウォレット

ウェブウォレットは、インターネット上でウォレットサービスの登録をして利用するホットウォレットです。

ウェブサービスのため、インターネットがつながっていればパソコンだけでなくスマホやタブレットからもアクセスできます。

取引所でアカウントを作るとウェブウォレットが利用できるため、最初のウォレットとして認識しましょう。また、取引所ではなく独自のウェブウォレットサービスもあります。

ただし、どのウェブウォレットを使ってもセキュリティはサービス側に依存しています。ウェブウォレットサービス側が仮想通貨を流出したり、倒産しても補償されないことが多いため、予め利用規約をよく読んでください。そもそもマイナーなウェブウォレットは使わない方が良いでしょう。

種類2.デスクトップウォレット

デスクトップウォレットは、パソコンに専用のデスクトップアプリをインストールして利用するホットウォレットです。

ウェブウォレットとは違い、仮想通貨はパソコン内に保管されます。と言っても通常はインターネットにつながっているためウイルスには気を付けなければいけませんし、ハードウェアがクラッシュしたり、誤って破棄してしまうと保存している仮想通貨を失う可能性があります(秘密鍵を保管してあればウォレットは復元可能)。

デスクトップウォレットはウェブウォレットよりも機能が多く、送金などの利用が多い場合は便利なのですが、基本的にはデスクトップウォレット1つにつき1種類の仮想通貨しか保管できません。

そのため、複数の仮想通貨をデスクトップウォレットに保管したい場合は、デスクトップアプリを複数インストールする必要があり、動作が重くなるなどの使い勝手の悪さがデメリットになります。

種類3.モバイルウォレット(ウォレットアプリ)

モバイルウォレットは 、スマホにウォレットアプリをインストールして利用するホットウォレットです。

スマホ内のアプリに保管されるため、メリット・デメリットはデスクトップウォレットと同じだと考えましょう。もちろんスマホなので持ち運びには便利ですし、外出時の仮想通貨決済にも簡単に対応できます。

種類4.ハードウェアウォレット

ハードウェアウォレットは、専用の外付け端末をパソコンに接続して利用するコールドウォレットです。

ハードウェアウォレットを使えば仮想通貨は完全にオフライン上に保管されるため、ハッキングやウイルスなどによる流出リスクの心配はありません。

ただし、ハードウェアウォレットの多くはUSBフラッシュメモリのサイズほどしかないため紛失のリスクがありますし、肝心の秘密鍵をなくしてしまうと一生開けられない金庫に仮想通貨を保管するようなものなので注意が必要です。

また、ハードウェアウォレットは1万円以上する高価なものですが、中古品ではなく、正規取扱店から新品を購入するようにしましょう。中古品を購入すると同期詐欺によって盗難被害に合う可能性があります(詳細は別途お伝えします)。

種類5.ペーパーウォレット

ペーパーウォレットは、仮想通貨のアドレス(ビットコインアドレスなど)と秘密鍵を紙に印刷して保管するコールドウォレットです。

出典|ビットコインはお札にもできます。(ビットコイン最大のセキュリティリスクの話)

こちらも完全なオフライン管理のためハッキングリスクはありません。ただし、紙媒体のため経年劣化でQRコード認識ができなくなったり、アドレスなどが読めなくなる可能性があります。また、財布などに入れると紛失する可能性もあります。

ホットウォレット・コールドウォレットは一長一短

ご紹介したようにホットウォレットとコールドウォレットには一長一短があり、使い勝手やルールも異なるため、パソコンを使い慣れていない人やITに詳しくない人にはハードルが高いかもしれません。

ただ、自分の資産を守るのは自分であり、そのための勉強であれば面倒臭がらずに時間をかけて理解しなければいけません。

コインチェックのNEM流出事件では、実際にNEMを失った人がコインチェックを相手に訴訟を起こしました。たしかにセキュリティが甘かったコインチェックに問題はありますが、取引所に仮想通貨をそのまま放置していた人たちにも責任はあります。

仮想通貨のリスクは、仮想通貨取引をする際にしっかりと理解して取り組むべきです(というわけで、わたしも少しだけNEMを買ってコインチェックに放置していましたが文句は言いません……)。

まずはすべてのウォレットの特性を理解し、持っている仮想通貨の量や使い勝手に応じてウォレットを検討した方が良いでしょう。個人的な意見としては、自分に合うウォレットを複数使った資産の分散管理をおすすめします。

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