ドルと連動する仮想通貨テザーとは?特徴と各国の購入メリット

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仮想通貨は法定通貨の影響を受けない

現在、世の中には1500種類以上の仮想通貨があり、その特徴は多種多様です。

たとえば、ビットコインのように決済を目的として作られた仮想通貨、イーサリアムのようにビジネスプラットフォームを見据えて開発された仮想通貨、リップルのように国際送金に特化して開発された仮想通貨など、それぞれの特徴が仮想通貨自体の売りになっています。

参考|ビットコインだけじゃない!世界の仮想通貨シェアランキング

もちろん、仮想通貨は法定通貨とは異なり独立した存在です。つまり、法定通貨の影響を受けないことが魅力の1つなわけです。

そんな多くの特徴を持つ仮想通貨の中でもかなり特殊な「テザー」というコインがあります。

今回は、仮想通貨のテザーが持つ特徴についてお話したいと思います。

テザー(Tether)とは

テザーとは、香港に拠点を置くテザー社が発行している仮想通貨のことで、通貨単位は「USDT」です。

テザーの特徴はアメリカドルと1:1で価格が連動していることです。つまり、常に「1USドル=1USDT(USDテザー)」になります。以下を見るとわかる通り、テザーの価格は1ドルでほぼ固定されています。

一般的にこのような通貨を「ペッグ通貨(固定相場制通貨)」と言い、売買によって相場が乱高下する他の仮想通貨とは違い、アメリカドルの価値に紐付いて価格が上下します。

そのため、テザーは「ステイブルコイン(安定したコイン)」とも言われています。

ペッグ通貨とは

ペッグ通貨についてもう少し詳しくお話しす。ペッグとは「釘を刺す、杭を打つ」という意味で、転じてペッグ通貨は「固定された通貨」ということです。

日本円(JPY)やアメリカドル(USD)、ユーロ(EUR)など一般的な通貨は、取引量や市況によって価格が変動しますが、稀にペッグ制を導入している法定通貨もあります。

有名なペッグ通貨は香港ドルで、米ドルにレートが固定されています。為替相場において米ドルにペッグするは、シンプルに「同じ量の米ドルを保有」するだけです。

たとえば香港ドルの場合、「1USドル=約7.8香港ドル」で固定されているため、たとえば78億香港ドルを発行する場合は10億USドルを保有しなければいけません。

この理屈は仮想通貨のテザーでも同じで、「1USドル=1USDT(USDテザー)」でレートが固定されているということは、テザー社はテザーを発行する分だけUSドルを保有しなければいけません。

仮想通貨テザーのメリット

では仮想通貨市場において、テザーのようなペッグ通貨はどのような利点があるのでしょうか。国によってメリットは様々なようです。

テザーのメリット|中国の場合

中国政府は仮想通貨取引に規制を行っており、人民元建てで仮想通貨を購入するのはほぼ不可能です。ただ中国人はネットの掲示板を通じてテザーを個人売買し、手に入れたテザーを取引所で使うことで規制をかいくぐっています。

中国政府がテザー取引に厳しい規制をかけない理由は、ドル固定のテザーには投機性が低いこと、また公になったとしても投機的な取引ではなく単に両替を行っただけという言い訳が立つためです。

中国は、政府の規制以前は仮想通貨取引量世界一を誇り、元々仮想通貨ユーザーが多い国です。そのため、規制をかいくぐる「うまい抜け道」として、多くの中国人がテザーを利用しています。

参考|中国の人気仮想通貨が落とす影 ビットコインに下落リスク  :日本経済新聞

テザーのメリット|アメリカの場合

一方、アメリカでは自国の法定通貨と同じレートのテザー購入して意味があるのでしょうか。そのヒントは、アメリカの仮想通貨の税金にあります。

アメリカの仮想通貨の扱いは「資産(Property)」という見解で、資産に関する税制のひとつ(section 1031)の中に「資産の同種交換は非課税」という旨の記述があります。

そのため、「仮想通貨同士の交換は非課税」という拡大解釈がされたことで、課税を免れるために売却時にドルに戻さず同価値のテザーに交換する人が多数いる模様です。

参考|Like Kind Exchanges Under IRC Code Section 1031 | Internal Revenue Service

日本では仮想通貨の交換も課税対象ですが、アメリカでは税金の抜け道が生まれたということです。当然、アメリカ当局も野放しにするはずがなく、2017年末から「資産の同種交換は非課税」は不動産限定で法改正を進めているそうです。

とはいえ、アメリカドルとテザーは同価値なので、送金しやすいテザーはアメリカ人にとって使いやすいものであることには違いありません。

テザーのメリット|日本の場合

日本では日本円で様々な仮想通貨を購入できます。しかし、海外取引所を利用する場合は何かしらの基軸通貨(BTCやETHなど)を国内で購入して、それを海外取引所に送金・交換しなければいけません。

その際、ビットコインなどの仮想通貨は値動きが激しいため、下落傾向が強い相場では購入後に値下がりリスクを負います。

その場合に、海外取引所でビットコインなどを一旦テザーに交換することで、下落相場でも価値をキープできます。つまり、下落相場の時の一時退避コインと考えられるわけです。

テザーは今後拡大するのか

「ドルと1:1の価値を持つだけ」と言われると、必要の無い人にとっては一体何のために存在する仮想通貨なのかと疑問を感じますが、各国の取り扱い方を見てみると、テザーがなかなかおもしろい仮想通貨だとわかるでしょう。

このような使われ方を見越してテザーを作ったのであれば、この先も各国でテザー使い所が広がっていきそうだと考えられます。

さて、そんなテザーですが今後の仮想通貨市場を左右しかねない大きな問題をはらんでいることが指摘されています。

次回は、テザーが持ついくつかの疑惑についてお話したいと思います。

参考|テザー問題で仮想通貨が崩壊?価格操作やドル未保有疑惑の真相は | FIN-ROUND

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