仮想通貨マルチ商法のクローバーコインとは?香港で上場の真相は

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ICOが盛り上がる一方…

2017年は仮想通貨が一般的に認知された年であり、ICOが爆発的に増えた年でもありました。2016年のICOによる資金調達額が2億2,800万ドルだったことに対し、2017年は60億ドル以上(日本円で6600億円ほど)に拡大しています。

ICOとは、仮想通貨を利用した新しい資金調達方法のことです。

参考|新しい資金調達方法クラウドファンディングとICOの仕組みの違い | FIN-ROUND

これだけ盛り上がっているICOですが、2014年-2017年5月までのICOにおいて提供サービスが明確な48のプロジェクトを調査した結果、半数以上はお金を集めただけでプロダクトがまだ存在しない状況です。

出典|10億集めたICOが何もプロダクトをローンチできない理由 | ビットコインの最新情報 BTCN|ビットコインニュース

つまり、それだけ実態があやふやで実現可能性に疑問を感じるICOも多いということです。このような中でICO自体が単なるお金集めの詐欺であったり、資金集めの方法自体がその国の法律に触れることも少なくありません。

日本では特定商取引法違反を犯したことで有名になった「クローバーコイン」というものがあります。このクローバーコインの動きが最近また話題になっています。

​クローバーコインとは

クローバーコイン(Clover Coin)とは、札幌市に本社をおく48(よつば)ホールディングス株式会社が発行する仮想通貨のことで、48ホールディングスは「クローバーコイン事業」と呼んでいます。

48ホールディングスが手掛ける暗号通貨クローバーコイン(Clover Coin)事業は、世界中の子供の未来を応援することを目的とした社会貢献型Coinプロジェクトです。地球の大切な財産である子供達の未来を応援する社会貢献型Coinと共に、クローバーコイン(Clover Coin)を保有されている皆様も子供達の未来を応援しながら幸運の四葉のクローバーを手に入れて頂きたいと願っております。暗号通貨クローバーコイン(Clover Coin)が多くの社会で活用されることにより、世界中の恵まれない子供たちへの支援がより多く、潤滑に行えることになります。

引用|48ホールディングス株式会社 | 業務案内 クローバーコイン

48ホールディングスのサイトには上記の通り至ってまともな理念が掲げられていますが、コインの販売方法自体が問題になりました。

48ホールディングスのクローバーコインは仮想通貨と言うよりも、自社ポイント、あるいはリップルの引換券のような位置付けのものと言えます。

クローバーコイン事業の内容

クローバーコイン事業は、以下の様な仕組みで運営されていました。

  1. ユーザーが48会員となり、クローバーコイン事業に100万円の投資をしたとします。
  2. すると、48ホールディングスは投資額の20%にあたる20万円分のリップル(XRP)を購入します。(ここでは20万枚とする)
  3. 48会員は、いつでもリップルと交換可能なクローバーコイン20万枚を受け取ることができます。
旧来のクローバーコインの仕組み

出典|クローバーコイン事業とリップルの仕組み │ 【マネープロ】クローバーコイン事業

投資した額の80%に当たる部分はどこに行ってしまったのでしょうか。ホワイトペーパーは一般に公開されておらず、明確な記載内容はわかりませんが、実際は「残り80%のうち20%は運営費、60%は紹介報酬」として召し上げられていました。

「100万円をリップルに投資するなら、自分で100万円分のリップルを購入すれば良いじゃん。なんで1/5の価値にしてまでクローバーコインを購入するの?」

マルチ商法をよく知る人であれば、なぜこのような理不尽な事業形態が成り立つのかがわかるはずです。

マルチ商法は人を紹介して、会員に加入させるほど収入が増えます。48ホールディングスのビジネスモデルがユニレベルなのかバイナリーなのかはわかりませんが、60%もの紹介報酬が蓄積していくのであれば、こぞってクローバーコインを求める理由もわかります。

クローバーコイン事業の問題点

1.リップルによって価値が保全されているという説明

クローバーコイン事業は、一言で言うとリップルの将来性にかこつけたお金集めです。

そのため、リップルの価値が上がればクローバーコインも価値が上がる、リップルの価値が下がればクローバーコインも価値が下がるものですが、実際は「クローバーコインはリップルによって価値が保全されている」と説明して販売されていたようです。

まるでリップルからの信任があるかのような物言いは危ういですね。

2.不実の告知や誇大広告による連鎖販売取引

連鎖販売取引(俗称:マルチ商法)自体は違法ではありませんが、過大な報酬を掲げるマルチ商法の多くは「不実の告知」や「誇大広告」で成立しません。

そのため、過大な報酬を掲げるマルチ商法は違法な可能性が高いと言っても過言ではないでしょう。

さて、クローバーコイン事業の「紹介報酬60%」は、知り合いを48会員にしてクローバーコインを購入させれば紹介者へ還元される仕組みですが、その際の勧誘の仕方が問題となります。

「絶対儲かるから」などの言葉とともに勧誘しており、これは「不実の告知」や「誇大広告」として特定商取引法に触れる結果となったのです。

そもそも違法な取引方法は「無限連鎖講(俗称:ねずみ講)」と言われる

48ホールディングスは3ヶ月間の業務停止

2017年7月時点で48会員は約35,000人ほどおり、既に200億円以上を売り上げていましたが……。

2017年10月27日、消費者庁から48ホールディングス株式会社へ3か月間の連鎖販売取引停止命令が出されました。48ホールディングスが違反していたのは、マルチ商法における以下の点です。

  • 1.特定商取引法 第33条の2:氏名等不明示

    「いい話があるよ。」、「●●で会わない?すごい話があるから一緒に聞いて。」などと告げるのみで、会社名称、特定負担を伴う契約締結目的の勧誘であること、役務の種類を明らかにしていなかったこと

  • 2.特定商取引法 第34条の第1項第5号:不実告知(判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項)

    「完全に上がる。買わなきゃ損をする。」、「公開前の仮想通貨を購入すれば1か月半後の公開時には10倍に値上がりする。」などと、相手方の判断に影響を及ぼす重要な事項である「クローバーコイン」の将来価値について、値上がりが確実に見込まれるかのように説明したこと

  • 3.特定商取引法 第37条第1項:概要書面の不交付

    連鎖販売業の概要について記載した書面を、契約を締結しようとする消費者に交付していなかったこと

参考|連鎖販売業者【48ホールディングス(株)】に対する業務停止命令及び指示について[PDF:165KB]|消費者庁

ただ、特定商取引法違法として連鎖販売取引停止命令を受けたものの、経営者が逮捕されることはありませんでした。

幸か不幸か資産の裏付けとして積み立てていたビットコイン(BTC)が18年年末に向けて暴騰したため、被害者であるはずの投資家・消費者に相応の資金を返還し、経営者の逮捕を免れたという経緯があります。

引用|コインチェック社問題を理解するうえで知っておきたい経済事案あれこれ(追記あり)(山本一郎) – 個人 – Yahoo!ニュース

投資した会員にとって返金されたことは良かったのですが、一般的に考えれば詐欺で立件されてもおかしくない事案の経営者個人が法の裁きを受けない結果には納得がいかない人もいるでしょう。

クローバーコインの現在

さて、このような経緯をたどった”自称”仮想通貨のクローバーコインですが、ここに来て新たな噂が流れています。

クローバーコインが取引所に上場?

上場先 Bauhinia Exchange(バウヒニアエクスチェンジ)
通貨コード CVC

バウヒニアエクスチェンジとは

バウヒニアエクスチェンジという取引所はまだ開業しておらず、ウェブサイトなどは見つけられませんでした(※以下2018/2/14追記)。ただ、Twitterアカウントはあったので覗いてみたところ、ロケーションがエストニアとなっています。

参考|BAUHINIA EXCHANGE(@BAUHINIA_EXC)さん | Twitter

香港の取引所に上場するにもかかわらずエストニア……エストニアのエンジニアが開発しているのでしょうか。

また、Twitterアカウントのフォロワーを見ると日本語アカウントが大半です。そのため、この取引所はクローバーコイン以外の取り扱い予定がないことも予想できます。

まだ取引所として開業していない場所に上場するクローバーコインの背景を鑑みると、取引所自体が48ホールディングス(の関係者)ではないかと勘ぐってしまいます。

バウヒニアエクスチェンジ取扱いコイン

追記:2018/2/14

取引所が開設されたようです。
Bauhinia Exchange – Home

取扱コインは以下のとおり。

  • ビットコイン(BTC)
  • イーサリアム(ETH)
  • Auger(REP)
  • Golem(GNT)
  • ライトコイン(LTC)
  • ビットコインキャッシュ(BCH)
  • ダッシュ(Dash)
  • イーサリアムクラシック(ETC)
  • テザー(Tether)
  • モネロ(XMR)

怪しいICO、疑わしい仮想通貨は山ほどある

クローバーコインの上場予定日は2018年2月15日(現在2018年2月5日)ですが、今後どうなるのでしょうか。

もし本当にバウヒニアエクスチェンジにクローバーコインが上場した場合、情報がわからない人は新しい仮想通貨として購入する可能性があります。もちろん、48会員による一時的な買い付けによって価格が高騰する可能性もあります。

説明した通りクローバーコインの出自は法的にギリギリ、ホワイトペーパーも閲覧できない、取引所の情報も不明……そろそろこのような曖昧なICO基準は規制すべきだと思うのですが、みなさんはどう思いますか?

もちろん、どのような投資も確実なものはありません。今存在する有名なアルトコインの中にも、いつ消えてしまってもおかしくないものもあります。蓋を開けてみたら詐欺まがいだったというコインもあるかもしれません。

参考|やっぱり危険?仮想通貨詐欺の代表的な3つの手口と相談窓口 | FIN-ROUND

投資判断は自分次第ですが、もし怪しいと感じたら専門機関への相談も検討してみましょう。

仮想通貨の不審な勧誘に関する相談(消費者ホットライン)
(局番なし)188

追記:2018/2/15
上場が3月に延期されたようです。
参考|バウヒニアエクスチェンジへの上場は延期…クローバーコインはどうなる?| FIN-ROUND

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