仮想通貨はバブル?チューリップバブルや南海泡沫事件との共通点

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過去に世界で起こった主なバブル

ビットコインやアルトコインなどの仮想通貨が世界中で多くのトランザクションを生み、仮想通貨に熱狂する人は日毎に増えています。一部からは「仮想通貨はバブルだ!」との声も聞こえます。

世界の富豪や大企業の社長でも仮想通貨に対する賛否は分かれるため、どれだけ勉強をして仮想通貨のコンセプトを理解できても、投資(投機)をして良いものか迷う人が大勢いるはずです。

もちろんわたしも、仮想通貨が今後どうなるかわかりません。そのため、「損をしても仕方ない。値上がりしても後悔しない。」と決めて、自分に見合った金額のみ購入しています。

では、仮想通貨はバブルなのでしょうか。そもそも、経済におけるバブルとはどうなることを言うのでしょうか。

世界では過去にさまざまなバブルが起こっています。特に有名なものは、「オランダのチューリップバブル」「フランスのミシシッピ計画」「イギリスの南海泡沫事件」の世界三大バブルです。

また、近年では「日本のバブル」「アメリカのドットコムバブル(ITバブル)」「アメリカのサブプライム住宅ローン危機」が記憶に新しいですね。

そこで今回は、過去に起こったバブルの概要、過去のバブルに共通することを挙げて、バブルとは何なのかを考えてみたいと思います。

バブル事例1.オランダのチューリップバブル|1636-1637年

当時ヨーロッパでは、チューリップは富の象徴として貴族の家の庭に植えられる習慣がありました。

オランダでは温暖な気候と肥沃な土壌のおかげでチューリップの売買が盛んに行われ、一般的なチューリップだけでなく希少な品種や突然変異で咲くカラフルなチューリップも高値で売買されていました。

あるとき突然変異をしたチューリップは、次の世代の球根にも突然変異が遺伝して引き継がれることがわかりました。

そのため、徐々に球根が高値で売買されるようになると、1636年頃にはオランダ国民の間で球根が買い占められるようになり、最終的には「花が咲いている間に、球根を手形で先に買い付ける。」という先物取引まで行われるようになりました。

チューリップの球根の価格は突然10倍以上に高騰し、中でも希少種の「Semper Augustus(センペル・アウグストゥス)」は最盛期で一般国民の平均年収の20年以上分の価格になったそうです。

ところが1637年2月、きっかけが不明のままチューリップの価格は突然暴落し、2か月で10分の1に落ちてしまいました。

バブル事例2.フランスのミシシッピ計画|1719-1720年

フランスは、ルイ14世の贅沢な暮らしや度重なる戦争で財政が逼迫していました。そのため、ルイ15世時代には国債を乱発し、さらに金の含有量を落とした貨幣(金貨)を発行するなど財政は破綻寸前でした。

そんな中スコットランドの実業家ジョン・ローは政府に初めて紙幣の発行を提言し、金貨・銀貨と交換ができる兌換紙幣(だかんしへい)を発行して国債や貨幣よりも信用が高い紙幣経済を確立することに成功しました。

やがてジョン・ローは、国家の銀行として総合銀行(王立銀行)を任されるようになります。

兌換紙幣の原則は金・銀貨など交換できるものとの釣り合いが保たれていることです。ところが債務まみれの政府は財政改善をするため、ジョン・ローに紙幣の増刷を迫ります。

紙幣を増刷すると金銀よりも紙幣量が多くなるためバランスが取れず、紙幣の価値(信用)が落ちてしまいます。

そこで、ジョン・ローは北アメリカのルイジアナ地域との貿易権を持つミシシッピ会社を買収し、王立銀行などをミシシッピ会社の傘下において、資金集めのために株式を販売することにしました。しかも、この株式を国民が持つ国債と交換できるようにしました。

ルイジアナ地域はフランスの植民地でしたが、海外にあるため事業実態は見えません。ミシシッピ会社は政府から独占貿易権を与えられ、さらには金鉱脈の開発をし、王立銀行などを従える素晴らしい会社の(ように見えた)ため株式はどんどん国債と交換され、国の借金はどんどんなくなっていきました。

1株単価は数か月で売り出し価格の500リーブルから1万リーブルまで高騰します。

ところが1720年5月、王立銀行で国債や紙幣から貨幣への大口の交換が行われると株価は急落し、たった9か月で売り出し価格の500リーブル以下に下がってしまいました。

バブル事例3.イギリスの南海泡沫事件|1719-1720年

フランスのミシシッピ計画と同じころ、イギリス政府も財政危機に苦しんでいました。そこで1711年、政府の財政危機を救うために国の借金を引き受けて完済するための南海会社を作りました。

南海会社には南米と南太平洋貿易の独占権を付与し、国から引き受けた借金の利子5%を受け取る権利が与えられましたが、国の借金はなかなか減りません。

そこで1719年、ジョン・ブラントは資金集めのために国民向けに南海会社の株式を販売します。すると、当初130ポンドだった株価は半年で1000ポンドになり、1億5000万ポンド以上の資金を集めることに成功しました。

南海泡沫事件とフランスのミシシッピ計画の違いは、南海会社を真似してさまざまなペーパーカンパニーが乱立したことです。国民は南海会社の株式の値上がりを見て、新しく作られたさまざまな会社(ペーパーカンパニー)の株式も買うようになります。

ペーパーカンパニーは設立しては消えを繰り返したため、後に「泡沫会社」と呼ばれるようになります。ただ、株式の購入によって貨幣は流通していたため、イギリス経済は潤っていました。

ところが、ジョン・ブラントと政府は泡沫会社の乱立によって資金がそちらに流れることを嫌い、厳しい規制をしてこれ以上の乱立を防ごうとします。

すると1720年6月、泡沫会社に投資をしていた国民の不信から株価は急落し、その煽りを受けた南海会社の株も急落してしまいます。結果として株価はたった3か月で200ポンドを下回り、1721年には売り出し価格の130ポンド以下に下がってしまいました。

バブル事例4.日本のバブル経済|1986-1991年

1970年代、アメリカでは第4次中東戦争による石油価格の高騰やベトナム戦争による戦費の拡大によって、景気が悪く物価が高いスタグフレーションが起きていました。

FRB(連邦準備制度理事会)がスタグフレーション解消のために金利を上げるとドル高円安になり、アメリカは貿易赤字、日本は貿易黒字という日米貿易不均衡が起こります。

そこでアメリカは、1985年にアメリカ、イギリス、西ドイツ、フランス、日本の五カ国でドルの価格を下げ、貿易不均衡を解消するプラザ合意を結びます。その結果ドル価格は230円台から150円台にまで急落し、日本の輸出産業に大きな打撃を与えました。

当初日銀は公定歩合を引き下げずに5%のまま据え置きするなど金融引き締め的な放置を行い、1986年になってから輸出企業が融資を受けやすいように金利を引き下げました。

通常金利を下げると融資が増え、国内に貨幣が出回ることで物価上昇が考えられます。ところが日銀の据え置き政策からの金利引下げによるギャップと石油価格の値下がりによって、大きな物価上昇は見られず日本は好景気に入ります。

日本の好景気では主に株式(と不動産)の価値が上がったため、当時の大蔵省は特金(特定金銭信託)によってさらに信託銀行に株式を買わせて、株価の上昇を誘導しました。

ちなみに証券会社では狭義の特金として営業特金という仕組みが用いられ、証券会社が投資家に対して一定の利回り保証、及び損失補てんをすることが後ほど問題になりました。

日本の株式は上がり続け、それに伴って不動産価格も上がるというスパイラルができたため、企業は本業以外の投資で利益を出し、一般国民も銀行融資を受けて不動産や株式を購入して含み益を持つ財テクブームが起きました。

ただ不動産が投機対象になると一般国民が購入できないほど住宅価格が高騰し、国民の生活や後の経済活動に影響を及ぼします。当時の地価は「東京23区の地価合計=全米の地価合計」ほど高騰していました。

そのため、1989年12月に日銀総裁に就任した三重野康は、高騰しすぎた地価を下げるために金融引き締め政策として利上げを行います。このとき株式は1989年12月29日に38957円44銭という日経平均史上最高値を記録しています。

三重野総裁はさらに土地の総量規制を行い、土地購入のための銀行融資に制限を設けました。これらの政策により定期預金の金利は6%台にまで伸び、少しずつお金が不動産から定期預金に流れ始めます。

すると、高騰した土地は売れなくなります。借金をして不動産購入をした人は株式などさまざまな資産を売却して負債を返済しようとします。そのため株価も暴落し、1990年9月30日には日経平均株価は下落率48%の20222円、1992年8月には14309円にまで落ち込んでしまいました。

過去のバブルに共通するポイント

さて、これら過去から現在に至るまで世界各地で起こっているバブルにある程度共通すると思われる点、人々の心理をざっと挙げてみます。

バブルの共通点・共通心理

  • 仕掛ける人はバブル発生の理由がわかっている
  • 価値が上がるモノには夢(コンセプト)がある
  • 一般人にも猜疑心がありバブルに乗っかっている
  • 一般人が資産を担保に借金をして投資を行う
  • 高騰した価値を先物で買うため架空のお金が動く
  • 猜疑心がありつつ自分は大丈夫だと思う人が多い
  • バブルが弾けるきっかけはちょっとしたこと
  • 一旦信用を失うと架空の価値の崩壊まで止まらない

この中で注目するポイントは、「一般人が資産を担保に借金をして投資を行う」と「高騰した価値を先物で買うため架空のお金が動く」です。

どのバブルも最初の適正株価(物価)からさまざまな思惑で高騰し、急落後は一時的に適正価格より価値が下がりますが、その後に元に戻っています。そのためバブルが崩壊しても、元々あったものが消えたわけではありません(もちろん倒産した会社もある)。

では何が消えたかというと、「実体経済と乖離した価値」が消えています。そして、「実体経済と乖離した価値」に多額の借金をしてまで投資を行った人が大きな損をして後の経済に大きな影響を与えてしまうわけです。

つまり、バブルが起こると一時的に架空のお金がたくさん刷られた状態になり、架空のお金をあぶく銭と思わずに必要以上の贅沢を満喫しているときに突如としてそのお金だけでなくお金を生み出す仕組みが消えてしまう……まさに「バブルが弾けた」という現象が起きます。

2017-??年|ビットコインバブル??

実体経済とかけ離れた価値を意図的に作り出して恩恵を受けたいと思う人はいつの時代にもいるものですが、多くの人々の意志が集まると経済はコントロールができなくなり、結果として意図にそぐわない大きな損害を作り出してしまうということです。

2018年現在、アメリカの景気はこれまでで最高と呼ばれるほど高まっています。ところが、一方でまだサブプライムローン問題はくすぶっています。

このような時期こそ人々の危機意識が薄れ、高まった購買意欲によって実体経済とかけ離れた価値の高騰が少しずつ起こります。

また、中国でも2015年に不動産バブルの警告が高まり、2016年にすでにバブルが弾けたと言われていますが、共産党のコントロールによってどうにかソフトランディングができないか思案しているところです。

参考|いよいよ終焉か?不動産高騰と共産党介入で中国バブル崩壊の予測|マネーゴーランド

では現在のビットコインなどの仮想通貨はバブルで、今後崩壊が起きるのでしょうか。次のページでは、ビットコインとバブルの共通点や今後のシナリオを考えてみたいと思います。

次へ|ビットコインはもう終わった?2018年バブル崩壊以降どうなる? | FIN-ROUND

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