仮想通貨の利益・税金計算方法は?確定申告の情報まとめ

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今年も例の季節がやってまいりました。そう・・・バレンタインデー!

・・・じゃなくて、「確定申告」です。

2017年4月に資金決済法が改正され、「仮想通貨」という言葉が法律によって定義されました。

それに伴い、国税庁から仮想通貨の税金に関する公式見解(タックスアンサー)が発表されました。

昨年は年末に向けてビットコインをはじめとする仮想通貨が軒並み高騰し、様々な形で利益を手にした人も多いかと思います。

今回は、仮想通貨関連の税金についてまとめてみたいと思います。

仮想通貨にかかる税金とは

仮想通貨を売却したり、使用したりした際、発生した利益に対して税金(所得税)が発生します。

確定申告を行うとき、仮想通貨で得た利益は「雑所得」という種類になり、所得の額に応じて税率が変わる「累進課税」という方式で計算します。

参考|No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係|所得税|国税庁

ただし、給与所得のみの会社員の人で、仮想通貨を含めた給与所得以外の所得が20万円以下の場合は、確定申告を行う必要はありません。

確定申告とは

会社勤めの人は会社が所得税計算をしてくれていて、年末調整で税額確定しているため、あまり馴染みがないと思いますが、確定申告は1/1〜12/31までの課税対象を計算して、自分で申告し、納税を行うイベントです。

黙っていればバレないんじゃないの?と思ってしまう人もいるかも知れませんが、たぶんバレます。

そして、バレた場合、過去の分まで遡って不正がないか調査され、その悪質度合いによって元々支払うべき納税額に加えて、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、重加算税と延滞税(利子税)などの追徴課税がかかることがあるので、期日までにきちんと確定申告を行いましょう。

特にサラリーマンの人で給与以外に20万円以上所得があるにもかかわらず、うっかり忘れるケースが多いかと思いますので、なおさら注意が必要です。

雑所得とは

先ほど、仮想通貨は「雑所得」に分類されると言いました。

この「雑所得」とは一体なんでしょうか?

まず、何らかの形で得たお金はすべて「所得」で、その所得に応じて課税される税金を「所得税」と言います。おなじみの言葉ですね。

そして、この「所得」がどういった経緯で得たものかを9種類+1種類(合計10種類)に分類し、それぞれに合った計算方法を用います。

9種類というのは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のことで、これらのどれにも該当しない場合に「雑所得」として計上します。

アフィリエイト収入や、ネットオークションでの転売利益、散発的な講演料などが雑所得に該当し、仮想通貨の売買や使用によって発生した利益も、同じく雑所得として計算します。

どういうケースで課税されるのか

では、一体どういうケースで課税されるのでしょうか。

国税庁のタックスアンサーによると、以下の4つのケースが課税対象になります。

  1. 仮想通貨の売却
  2. 仮想通貨での商品の購入
  3. 仮想通貨と仮想通貨の交換
  4. 仮想通貨のマイニング等

出典|仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)−国税庁

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.仮想通貨の売却

これがもっとも大勢に関与する課税対象の所得になるかと思われます。

買った金額より高い値段で売った場合に発生する利益のことですね。

国税庁の見解によると、仮想通貨は購入(円を仮想通貨に交換)した時点では非課税です。

つまり、仮想通貨のまま持っているだけの場合は税金がかかりません。

売却(仮想通貨を円に交換)して、さらに利益が生じた場合に初めて課税対象となります。

所得金額の計算方法を次のとおりです。

所得金額 = 売却価額 − 1仮想通貨あたりの取得価額 × 支払った仮想通貨数

ちょっとわかりにくいので例をあげると、

200万円(支払い手数料込み)でビットコインを2BTC購入後、0.5BTCを80万円(支払い手数料込み)で売却した場合、

800,000円 − ( 2,000,000円 ÷ 2BTC ) × 0.5BTC = 300,000円

この場合、30万円が所得金額となります。

2.仮想通貨での商品の購入

ビックカメラやH.I.S.など、ビットコインで決済できるところも徐々に増えつつあります。

そういった物品や旅行の支払いなどを仮想通貨で行った場合も課税対象になります。

この場合の計算式も、さきほどの売却した所得計算に準拠します。

所得金額 = 商品価額 − 1仮想通貨あたりの取得価額 × 支払った仮想通貨数

例えば、

200万円(支払い手数料込み)でビットコインを2BTC購入後、20万円のノートパソコンを0.2BTCで購入した場合、

200,000円 − ( 2,000,000円 ÷ 2BTC ) × 0.2BTC = 0円

この場合、所得金額は0円となり、非課税になります。

なぜこんなことになるのかというと、上記の例ではビットコインを購入した時点と、ノートパソコンを購入するために決済に使用した時点でビットコインの時価が同じだったため、「利益」がそこに発生していないからです。

もともと持っていた200万円からそのまま20万円で購入したのと同じことになるわけですね。

3.仮想通貨と仮想通貨の交換

これがもっとも厄介かもしれません。

所持している仮想通貨を別の種類の仮想通貨に交換した場合。

平たく言えば、ビットコイン建てでアルトコインを購入した場合ですね。

計算式は前述の2例と全く同じです。

所得金額 = 他の仮想通貨の時価(購入価額) − 1仮想通貨あたりの取得価額 × 支払った仮想通貨数

では何が厄介かというと、「他の仮想通貨の時価(購入価額)」を購入時の為替で日本円に換算しないといけないところです。

200万円(支払い手数料込み)でビットコインを2BTC購入後、イーサリアム2ETH($2,000)分を0.1BTCで購入した場合(購入当時1$=¥100)、

200,000円 − ( 2,000,000円 ÷ 2BTC ) × 0.1BTC = 100,000円

この場合、所得金額は10万円になります。

4.仮想通貨のマイニング等

そして最後に、マイニング(採掘)を行うことでもらえる報酬に関してです。

この報酬で仮想通貨をもらう、あるいは人から仮想通貨を受け取るなど、何らかの形で仮想通貨を譲渡された場合、その入手した時点の時価からマイニングにかかった経費を差し引いた額で課税対象額が決まります。

ただし、人から譲渡された場合、取得時価が110万円を超えると贈与税の対象になる可能性がありますので、その場合は税務署か税理士に確認することをおすすめします。

所得金額 = 取得した仮想通貨の時価 − マイニング等にかかった必要経費

また、マイニングなどによって取得した仮想通貨を売却する際の取得価額は、上記の所得金額が適用されます。

仮想通貨の証拠金取引は申告分離課税?

このケースで気になるのは、外国為替証拠金取引(FX)と同じく申告分離課税対象になるかどうかだと思います。

しかし、残念ながら仮想通貨の証拠金取引は申告分離課税対象ではなく、「総合課税」になります。

総合課税とは

総合課税とは、冒頭にお話しした9+1種類の所得分類を全部ひっくるめて合算で計算する方法のことです。

それに対して「分離課税」という方法があり、外国為替証拠金取引(FX)や株式の売却利益などは「申告分離課税」という方法で税金の計算を行います。

総合課税だと何が残念なのか

仮想通貨で発生する利益所得は雑所得であり、総合課税になります。

これの何が残念なのかと言うと、所得額に応じた「累進課税」という方式を用いられるためです。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

出典|No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁

特にサラリーマンの人は、一旦年末調整で納めすぎた所得税が還付されますが、確定申告時にその還付金を一部返納する必要が出る可能性があります。

というのも、株やFXによって得た利益は先述のとおり、「申告分離課税」の対象になっているため、株やFXで得た所得のみを他の所得と切り離して計算してもよいわけです。

しかし、仮想通貨での所得は(事業所得扱いを除き)一律雑所得で総合課税になります。

つまり、給与所得で計算されていた税率が、雑所得を加えることで税率ランクが上がった場合、給与所得も含めて高い税率で再計算する必要が生まれます。

個人事業主の人はいずれにせよ確定申告の必要があるので、あまり気にならないかもしれませんが、会社員の人は意外とピンとこない人多いのではないでしょうか。

仮想通貨で発生した利益には結構な額の税金がかかりますし、総合課税によって税率の変動が確定申告時に起こるケースもありますので、できるだけ早めに準備し、よくわからない場合は税理士さんなどに相談されるのがベストです。

こんな場合はどうなるの?

ハードフォークによって付与された場合

仮想通貨の多くはブロックチェーンという技術が使われており、何か技術的な課題だったり、新たに機能を付与したいといった時、場合によっては分裂することがあります。

ビットコインからビットコインキャッシュが新たに生まれたり、イーサリアムとイーサクラシックが分岐したりと、次々と新たな仮想通貨が発生しています。

仮想通貨がハードフォーク処理(分裂)を行った場合、新たな仮想通貨が誕生します。

取引所によっては、ハードフォークが行われると、その時に所持しているハードフォーク元のコインと同量の新コインを配布することがあります。

この付与された新規コインも課税対象になるのでしょうか?

国税庁の見解では、答えはノーです。

ハードフォーク後に誕生した新しい仮想通貨は、その時点では価格が存在しないという解釈だそうで、付与された時点では課税対象になりません。

付与された仮想通貨を売却して利益が発生した場合、初めて課税対象所得となります。

その場合の取得価額は0円ですので、売却して得た利益は全額課税対象の雑所得となります。

損失はどうなるの?

これも気になるところですよね。

国税庁の見解によれば、「他の所得と通算することはできません」とあります。

どういうことかというと、仮想通貨で損失(買った金額よりも売った金額が低かった場合)が出た場合、総合課税の他の所得、例えば給与所得から損失分を差し引くのはアリかナシかという問いに対して、ナシと回答しています。

こういう方法を損益通算といい、所得の中で損益通算ができるのは以下の4つに限られています。

  • 不動産所得
  • 事業所得
  • 譲渡所得
  • 山林所得

ですので、仮想通貨で出た損失はその他の所得で控除することはできません。

しかし、「内部通算」はOKとのこと。

内部通算とは?

内部通算、または所得内通算といい、「同一所得内で損益を通算する」ことです。

なんか小難しい感じがしますが、要するに雑所得の中で損失を相殺するのはOKということです。

30万円で買った仮想通貨を50万円で売って、40万円で買った仮想通貨を20万円で売ったとします。

最初の取引で20万円の利益がでていて、次の取引で20万円の損失が出ています。

この場合、20万円の利益と20万円の損失を同じ雑所得で計上する際、

20万円 + ( -20万円 ) = 0円

雑所得内での課税対象額は0円ということになります。

つまり、ざっくりとした税額を把握するには、1年間の売買を繰り返して最終的に残った利益確定分が課税対象になる、という理解でよいかと思います。

ただし、確定申告時には書類を提出する必要があるので、しっかりと日々の取引記録を残しておくべきなのは言うまでもありません。

仮想通貨関連で確定申告の際に行うことまとめ

どういった場合に確定申告が必要か

  • 会社員で給与の収入が1年間で2,000万円を超える人
  • 会社員で給与以外の所得の合計が20万円を超える人
  • 給与所得者以外の人

出典|確定申告が必要な方|確定申告に関する手引き等|国税庁

仮想通貨での課税対象アクション

  • 仮想通貨の売却
  • 仮想通貨で商品の購入及び決済
  • 仮想通貨と仮想通貨の交換(ビットコインでアルトコインを買う等)
  • マイニングや譲渡などで仮想通貨を取得

時価の扱いについて

  • 仮想通貨同士の交換の場合、新たに買付けたコインの時価を日本円に換算し計算
  • マイニングや譲渡で取得した場合は取得時の時価を適用

仮想通貨の利益計算

利益 = 売却価額(商品購入価格) − 仮想通貨の取得価額単価 × 支払った仮想通貨

仮想通貨の確定申告に必要なもの

  • 申告書A
  • 源泉徴収票(会社員のみ)
  • 仮想通貨の入出金明細(フォーマットは自由)
  • 仮想通貨取引履歴がわかるもの
  • ウォレット残高がわかるもの
上記は雑所得で申告を行う場合になります。
事業所得、不動産所得がある場合や、別途分離課税を申告場合は申告書Bも必要になります。
また、各種控除を申請する場合はそれぞれの証明書など添付が必要になる場合があります。

仮想通貨の税金に関する注意点

  • 事業所得に含まれない仮想通貨の利益はすべて雑所得として取り扱う
  • 仮想通貨を所有しているだけ(買って持っているだけ)の場合は課税されない
  • 仮想通貨の売却で損失が出た場合、「他の所得」との通算はできない
  • ただし同一所得(雑所得)内での通算(相殺)はOKだが翌年への繰り越しはできない

さいごに

仮想通貨の確定申告に関する情報をまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?

仮想通貨の売買を頻繁に行っている人は、取引履歴をまとめるのが結構大変だと思いますが、取得した利益はしっかりと納税する義務があります。

そして、仮想通貨自体がまだまだ新しい文化であるため、イレギュラーなケースでどう扱うかわからない場合も出てくるかもしれません。

そんなときは迷わずお近くの税務署か、仮想通貨に詳しい税理士、会計士などに相談し、正しく申告し、きちんと納税しましょう。

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