仮想通貨に使われるブロックチェーンの仕組みとメリット・デメリット

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仮想通貨の根幹はブロックチェーン

ビットコインや仮想通貨という言葉を聞いて「あー、お金儲けの話でしょ?」と感じる人は多いと思います。ただ、単なる投資や投機の話だけで仮想通貨がここまで盛り上がっているわけではありません。

仮想通貨が注目されているのは、これまでの通貨の代替決済手段になり得るからではなく、仮想通貨に使われているブロックチェーンという技術自体が様々なサービスに応用できそうだとして、様々な技術者に研究されているからです。

今後ブロックチェーンが最も活用されそうな分野は、金融などのフィンテック分野です。

参考|フィンテックとは?金融テクノロジーが進化すると何ができる?

わたしたちはブロックチェーン技術による新しいサービスの機能や便利な使い方を理解するために、ブロックチェーンの仕組みやメリット・デメリットを理解する必要があります。

そこで今回は、ブロックチェーン技術を導入することで実現する分散的なシステムと従来の中央集権的なシステムについてお話したいと思います。

従来の中央集権的なシステムとは

中央集権的なシステムとは、ある集団における権限や統制力が1つの機関によって賄われていることを言います。

わたしたちが普段使っている1万円には1万円の価値があります。もちろん1万円をもらったら嬉しいですね。ところが、今いる場所がアフリカのナミビア共和国だった場合、日本円を1万円もらっても嬉しくないはずです。

つまり、1万円という紙幣は誰にとっても価値があるものではないということです。では、わたしたちは一体何を持って1万円を1万円の価値がある紙だと認識しているのでしょうか。

それは日本という国において、日本の中央銀行(日本銀行)に対する信用があるためです。「日銀が保障したお金だから。」「国が1万円の価値を認めているから。」という信用が紙幣に価値を生みます。

参考|通貨の定義、価値を持つ条件とは?仮想通貨はお金に代わる? | FIN-ROUND

国や中央銀行という保障力を持った機関が価値を担保してくれるシステムが「中央集権的なシステム」です。実は身近にあるほとんどのシステムは中央集権的なシステムです。

たとえば、Amazonを使う人は、サイト内にクレジットカード情報などを登録しますよね。Amazonに集まる情報は守られているというセキュリティを信頼しているため登録しておけるのです。

中央集権的なシステムのメリット・デメリット

中央集権的なシステムにはメリットもありますが、デメリットもあります。

メリット

  • システム利用者の個人情報管理の負担が減る
  • 非常に高速なシステムが運用できる
  • システムのバージョンアップがしやすい
デメリット

  • 責任の大部分が中央集権を持つ運営に委ねられている
  • 強固なセキュリティを維持し続けるためコストがかかる
  • 中央集権による独占的な価格の吊り上げなども起き得る

今まで何も疑問に思わず使ってきた中央集権的なシステムは、その信頼が崩れてしまうと危険な部分も数多くあります。

ブロックチェーンによる分散的なシステムとは

では、ブロックチェーン技術を用いた分散的なシステムとはどのようなものでしょうか。

ブロックチェーン技術を用いたシステムは中央集権的なシステムとは違い、ある機関が強固なセキュリティを構築する必要がありません。

ブロックチェーンの詳細は以下で説明しますが、簡単に言うとあるシステムに参加するわたしたちユーザーが情報の管理やセキュリティに対する負担を分散して行う仕組みを可能にしています。

参考|初心者も簡単にわかるブロックチェーンの解説とP2Pの仕組み | FIN-ROUND

そのため、ブロックチェーンを用いたシステムは分散的なシステムと言われています。

さらに、ブロックチェーンを使ったセキュリティは従来の中央集権型のセキュリティ強度を超えるため、信用が重要とされる業種に注目され、急速に技術開発が進んでいるのです。

分散的なシステムのメリット・デメリット

もちろん、分散的なシステムのブロックチェーンにもメリットとデメリットがあります。

メリット

  • 攻撃耐性に強く情報が改ざんされないため収集された情報の信用が高い
  • 情報はネットワーク上で共有されるため情報トラッキングが容易
  • システムの運用を誰かが独占して悪用することはできない
デメリット

  • 情報の信用性が担保されるためにはある程度の取引数と参加者が必要
  • システムのバージョンアップを行いにくい
  • 情報トラッキングが容易なため機密性が低い

上記のブロックチェーンにおける”取引”とは単にお金のやり取りの意味だけではなく、価値の移転(権利書の授受)やデータの送受信を意味することもあります。

ブロックチェーンの活用が期待される業種・業界

以下の業界ではブロックチェーンのメリットが十分に活用できると期待されています。

  • 個人決済や送金など
  • 銀行業
  • 保険業
  • 不動産業
  • 政府の公的費用
  • 寄付金などを扱う慈善団体
  • 製造業

1.銀行業におけるブロックチェーン技術の活躍

銀行業や保険業は、最もセキュリティが必要とされる分野です。また、今後のキャッシュレス社会によって、莫大な情報量を処理できる情報通信インフラを確立しなければいけません。

この分野でブロックチェーンを用いたシステムが稼働すれば、セキュリティ強化が期待されるだけでなく、これまでよりも業務の高速化が期待できます。

またブロックチェーンによってセキュリティの強化や業務の高速化が実現すれば、運用コストも軽減するため、これまでわたしたちが支払っていた手数料も安くなる可能性があります。

2.個人決済や送金などにおけるブロックチェーン技術の活躍

個人決済や送金はすでに実装されつつあり、ビットコインで決済できる店も出てきています。

ブロックチェーンを使った送金(つまり仮想通貨の送金)は地域や組織に紐づくお金ではないため、いつでも為替レートを気にせずに、世界中どの店の決済でも行えます。

そのため、多額の手数料が必要な海外送金で悩むことが無くなる可能性があります。

不動産業におけるブロックチェーン技術の活躍

不動産業は、主にブロックチェーンのセキュリティと価値の移転(情報のトラッキング)を活かせそうな分野です。

たとえば土地の権利書などの情報をブロックチェーンの取引として扱えば、今の不動産のシステムよりもより正確で不正取引が不可能な業務を行える可能性があります。

政府の公的費用におけるブロックチェーン技術の活躍

政府の公的費用や寄付金などをあつかう慈善団体におけるブロックチェーンの使い方は、主に情報のトラッキングを利用したシステムです。

これにより、わたしたち国民は政府のお金の使い道が正確にわかりますし、政府も分配した生活補償金などの使い道がわかります。これまで使途が明らかではなかった寄付金も、寄付した人が安心できる情報のトラッキングが行われる可能性があります。

製造業におけるブロックチェーン技術の活躍

食品業界などのサプライチェーンでは、商品が作られていく工程・情報をブロックチェーンに記録することで追跡が容易になり、消費者の安心感が増す運用が期待できるでしょう。

このように、わたしたちに身近な業界・分野でブロックチェーン技術の活躍が期待されています。

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