日本で40万件超?仮想通貨マネーロンダリング・資金洗浄方法とは

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仮想通貨が資金洗浄に使われる?

世の中にはきれいなお金と汚いお金があります。発行年度が古いから汚い、新しいからきれいというお話ではありません。

汚いお金とはまっとうな方法で手にしたお金ではなく、表に出せない方法で手にしたお金や本来納めるべき税金をごまかして手元に残るお金のことです。

たとえば、平成28年度査察による国税の脱税総額は約162億円だったそうですが、査察逃れをした国税・地方税などを合わせると100倍以上あるのではないかと言われています。

もちろん税務署では少額の納税義務は軽視され、より大きな脱税疑惑を重点的に捜査しますが、そんな高額脱税者の中にも納税義務を免れる人は少なくありません。

ただし、単純に確定申告をしないだけでは捜査以前の問題で税務署につつかれるため、彼らは汚いお金をきれいなお金に換えるいわゆる「資金洗浄(マネーロンダリング)」を行います。

日本では、改正資金決済法によって仮想通貨が「資産価値を持つモノ」と定義されたため仮想通貨の売買利益にも税金が発生しますが、その仮想通貨自体がマネーロンダリングに使われていると言います。

では、仮想通貨のマネーロンダリングとは一体どのようなものなのでしょうか。

今回は、仮想通貨のマネーロンダリングの方法についてお話します。

マネーロンダリング(資金洗浄)とは

マネーロンダリングとは、盗品や違法物の売買、脱税などの違法行為で得た利益を隠蔽・詐称して 正当な方法で得た利益に見せかけたり、所得を隠すことを言います。

違法行為で得たお金は明るみに出た時点で没収されますし、脱税が発覚した場合は本税(本来納めるべき税金)の他にさまざまな追徴課税が課されます。

参考|税金未納や申告漏れの罰則は?加算税・延滞税・利子税が怖い理由

そのため、違法行為で得たお金をそうではないお金に替えたり、所得を少なく見せかけることができれば、万が一違法行為が発覚して罪に問われた場合にその被害を少なくすることがでるという理由から、マネーロンダリングが行われています。

マネーロンダリングの方法

マネーロンダリングの方法は大きく2つに分かれます。1つは他者の協力を得てごまかす方法、もう1つは税務署などが追えないくらいお金の流れを複雑にする方法です。

方法1.他者の協力を得る

違法行為で得たお金を洗浄するためにもっとも有名なマネーロンダリングは、カジノ運営者と共謀する方法です。

まず、不正に得たお金をカジノで賭けてわざと負けます。その後、別の人間が取り決めた分をカジノでわざと勝たせれば、汚いお金はすべて賭博で溶けてしまい、きれいなお金が返ってきます。

もちろん、カジノで負ける人、勝つ人、カジノの運営者は共謀してなければいけません。

所得を隠して納税を免れたい場合は、相手方と共謀して空発注を行う方法が考えられます。

詳細は避けますが、たとえば決算前に共謀した相手に1000万円の空発注を行い、決算を過ぎたら今度は相手から900万円の空発注を受けます。100万円の差分は相手への手数料ですが、納税を免れたい人は納税額よりも手数料が少なければ良いわけです。

方法2.お金の流れを複雑にする

もっと単純な方法は、違法行為で得たお金で物品を購入してそれを転売する方法です。その際に気をつけるのは、大きな差額が出ないようにすることです。

たとえば、100万円で電化製品を買って転売したときに50万円しか得られなければ意味が薄れます。そのため、金券や電子マネーなどお金の代替になるものを売買します。ただし、公の場での金券の転売は禁止されています。

もう1つは、お金を小口に分けて送金を繰り返す方法です。こちらも詳細は避けますが、たとえば小口の口座間移動、ポイントへの交換などを経て最終的に小口でお金に変えられるルートを作ります。

この送金・交換ルートが複雑であるほど警察や税務署の追跡は難しくなり、マネーロンダリングが成功しやすくなります。

仮想通貨のマネーロンダリングの方法

仮想通貨のマネーロンダリングの方法も法定通貨と同じで、他者の協力を得たり、流れを複雑にすることで行われます。

一般的に仮想通貨は、株式取引やFX取引と同じように利益確定した際に税金が発生する仕組みです。

ところが、仮想通貨は仮想通貨同士の交換が行えるうえに、銀行口座を経由しない仮想通貨口座間の送金が行えます。また、仮想通貨を使ってそのまま物品の購入もできます。そのため、仮想通貨の流れは法定通貨よりも追いにくくなります。

ただ現在の日本の法律において、仮想通貨のマネーロンダリングは他国に比べて難しい状況です。それは、以下の行為において利益確定とみなされ、一定以上の金額には税金が発生するためです。

  • 仮想通貨から仮想通貨への交換を行う
  • 仮想通貨で物品を購入する
  • 仮想通貨口座間の送金を行う

参考|仮想通貨の利益・税金計算方法は?確定申告の情報まとめ | FIN-ROUND

とは言え、時間をかけて送金を繰り返していけば追跡が難しくなることは変わりません。とくに、他人からウォレットのアカウントごと譲り受けたり、マイニングで得た仮想通貨はマネーロンダリングが行える可能性が高まります。

日本の仮想通貨マネーロンダリングは40万件?

日本政府は2017年4月に改正犯罪収益移転防止法を施行し、マネーロンダリングが疑われる取引の届け出を仮想通貨交換業者に義務付けています。それによって、2017年4-12月の8か月間でマネーロンダリングの疑いがある取引は40万件あったことがわかっています。

ビットコインといった仮想通貨がマネーロンダリング(資金洗浄)などに悪用された疑いがあるとして、昨年4~12月に仮想通貨交換業者が国へ届け出て、受理された取引が669件だったことが22日、警察庁のまとめで分かった。これを含めて、昨年1年間に資金洗浄の疑いがある取引全体の受理件数は40万件超に上った。

引用|仮想通貨で疑わしい取引、669件 資金洗浄か、交換業者が届け出 昨年4~12月、警察庁まとめ  – 産経ニュース

全貌が明らかになっていないため40万件のうち何割がマネーロンダリングに関与しているかはわかりませんが、40万件が尋常ではない数だということだけはわかります。

一部、ブロックチェーンのPoWの仕組みがあれば仮想通貨のマネーロンダリングは防げるとの意見もありますが、それはあくまでも今後の管理体制や法整備、各国との連携体制が整った後の話しでしょう。

そのため、今後も法定通貨以上に何らかの方法で仮想通貨のマネーロンダリングは起こり続けていくはずです。

ただし、わたしたちのような一般仮想通貨ユーザーにとっては、マネーロンダリングの方法を知るよりは、マネーロンダリングをなくす方法を追求する方が利益につながるということをお忘れなく。

もちろん、マネーロンダリングや所得隠しは不正を隠蔽する行為のため、その方法が理解できても絶対に行わないでください。下手をすると、ダークウェブの犯罪サイトとの関連を疑われますよ……。

参考|ダークウェブとは?仮想通貨市場の拡大と闇サイトの深い関係 | FIN-ROUND

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